稚内に向かう(その1)

  • 2009/03/27(金) 16:53:39

試験が終わって解放された気分で、俺たちは北を目指した。

上野駅は、線路が行き止まりになっていて、天井が高く、まるでヨーロッパの鉄道駅の様だ。二階建ての駅ホームがある。

自由席の乗車口で、列をつくって列車が入線してくるのを待っている。

何だろう、人がいっぱいで騒がしいけど、満ち足りた気分だった。自信を持って行動できた。不安感がまるで無い。

あのときは、若かったけど、若さだけで大胆になれただけなのか。それとも、傷ついていなかったから弱虫でなかったのか。振り返って考えてみることはできるけど、もう元には戻れない。あたりまえのことだけど。

(続く)

稚内に向かう(その2)

  • 2009/03/29(日) 09:45:19

線路の先から、ゆっくり電車は入線してきた。少しカーブを描きながらきれいな車窓が近づいてくる。

ようやく腰をあげ、荷作りを直しながら、僕らは立ったままで迎えた。

停車位置で、ぴたりと止まったが扉はまだ閉まったままだ。車内の電灯も消えたまま。それでも僕らの期待は高鳴る。これからはじまるできごとについて考えただけでも期待が高まる。

もう、じっとしてはおれない。

(続く)